「暑いとアイスが売れる」を、ちゃんと測る
それは当たり前だろう、と思われるかもしれません。でも私たちが測ったのは季節の話ではありません。季節を差し引いた「平年差」の話です。「7月だからアイスが売れる」は当たり前。私たちが確かめたのは「いつもの7月より暑い7月は、いつもの7月よりアイスが売れるのか」——つまり、財布が天気の「ゆらぎ」にまで反応しているのか、です。
使ったのは総務省・家計調査の品目別支出(691品目・1985年〜)と気象庁の東京の観測値。すべての組み合わせに約69,000回の検定をかけ、多重検定の罠(偶然の当たり)を統計的に濾し、さらに機械に見せていない2018年以降のデータで答え合わせをしました。この最終試験を通ったものだけを「法則」と呼びます。結果、候補20本が20本とも合格しました。
確認された法則たち(抜粋)
| 法則 | 強さ(探索側) | 答え合わせ(封印側) |
|---|---|---|
| 暑い月ほどアイスクリームが売れる | +0.70 | +0.54 ✓ |
| 暑い月ほど茶飲料・炭酸・ジュースが売れる | +0.51〜0.60 | +0.42〜0.59 ✓ |
| 暑い月ほどこんにゃくが売れない | −0.53 | −0.64 ✓ |
| 暑い月ほど殺虫・防虫剤が売れる | +0.51 | +0.35 ✓ |
| じめじめした月ほど傘が売れる | +0.51 | +0.29 ✓ |
| 暖かい月の「翌月」にガス代・灯油代が減る | −0.52〜0.56 | −0.50〜0.55 ✓ |
見どころ① — こんにゃくは暑さに殺される
いちばん人間くさい発見は野菜売り場にありました。暑い月に売り上げを落とすもの: こんにゃく、油揚げ・がんもどき、はくさい、だいこん、ごぼう、しいたけ。——お気づきでしょうか。全部鍋とおでんの具です。「暑いとおでんを作る気にならない」という私たちの気分は、統計にくっきり刻まれるほど強い経済現象でした。
見どころ② — ガス代は1か月遅れて反応する
気温とガス代・灯油代の関係は、同じ月ではなく1か月ずれて最も強く出ました。機械は理由を知りませんが、私たちは知っています——検針と請求のタイムラグです。寒かった月の風呂・暖房は、翌月の請求書にやってくる。データの中に、検針員さんの足音まで写り込んでいたわけです。
なぜ占いサイトがこれを?
当サイトは「星と経済と宇宙天気で占う」という看板を掲げる以上、何が実際に人の暮らしを動かすのかを自分のデータで確かめ続けています(これまでの検証は検証の地図へ)。今回の結論はこうです: 宇宙や星が財布を動かす証拠は見つからない。でも天気は、財布をはっきり動かしている。あなたの今日の買い物にも、平年差が写り込んでいるかもしれません。
この検証の裏側で「統計の罠をすべてくぐり抜けてしまった奇妙な相関」も見つかりました。その話は太陽風ともやしの奇妙な相関へ。